医療現場の
システムの効率化
私がこのクリニックを開業しようと思った理由は、理想のクリニック運営のアイディアを実践したい気持ちを抑えることが難しくなってきたためです。
それまで勤務してきたところで感じてきた「もっとこうすれば、患者さんもスタッフも、もっと働きやすくなるのにな」というアイディアが様々なところで溜まっていたのです。
これをご覧の方ならお分かりかもしれませんが、医療現場って、どうしてもシステムが非効率的な部分があって、患者さんが長時間待つことが常態化しています。でも雇われていると、自分でシステムを変えることができません。ですので、次第に様々な作業を効率化して、患者さんにとってもスタッフにとってもストレスのない環境、自分のクリニックを作りたい、と強く感じるようになっていきました。
ですから、効率化に関しては、かなりこだわっています。患者さんには事前にネットで問診票を書いてもらい、すぐに診療に移れるようにしています。
予約もネットで完結できるので、受付の手間が大幅に削減されました。若い世代の患者さんが多いので、デジタル対応に抵抗なく使ってくれることも助かっています。また、治療に使う機器も効果のあるものにこだわっていて、大型の機器は2つしか置いていませんが、どれも厳選したものです。実際、患者さんの治療効果も高く、治療期間を40%短縮できる機器も導入しています。
内装に現れる、
人と仕事への想い

クリニックの内装にもこだわりました。患者さんがリラックスできる、ホテルのようなラグジュアリーな雰囲気を目指しています。
私の住んでいるマンションも、そのようなホテルのようなデザインで、特にロビーがとても落ち着く空間なんです。
特に、受付のカウンターの施工には通常よりも負担がかかりましたが、やはりクリニックの顔ですし、毎日出勤のたびに目にして気持ちの良くなるものにしたかったので、特にこだわりました。
水が流れるようなイメージが綺麗に表現できたと思います。

娘から「診察室の雰囲気をもっとこだわったら?」と言われて、ロビーだけでなく診察室やその他の部屋も色々と試行錯誤しました。
結局、海やジャングルのテーマを取り入れた雰囲気を探しましたが、機能面や耐久性を考慮して、少しクールな感じと暖かい雰囲気をミックスすることにしました。

リハビリ室はコンクリート打ちっぱなしの壁紙を使って、ニューヨークやイギリスのヨガスタジオのようなイメージにすることで、「病院らしさ」をなくすように意識しました。
スタッフも実際リハビリ室のことを「スタジオ」と呼んでいて、クリニックのフランクな空気作りに一役買っていると思います。
ベッドは医療用よりもエステ用のものを選びました。通常は、特にリハビリ室ですと、一つでもたくさんのベッドを置くために横幅の狭いものを選びますが、うちでは空間の気持ちよさを優先して、ひとつひとつのベッドの横幅も十分にとっています。

中でも当院最高の座り心地の椅子が、音波治療器の個室にある椅子です。 ゆったりと、そして低反発のような座り心地と、全身を包み込むようなフォルムが特徴です。 機器を当てている時間は20分ほどと長めなのですが、個室にして過ごしやすさを意識したせいか、この個室でゆったりと電波を当てながら仕事をしにくる、なんて人もいます。

待合室の椅子も立ち上がりやすい仕様になっていて、すべて自分で座り心地を確認して選びました。
こうしたクリニックの雰囲気づくりは患者さんに向けてだけでなく、スタッフに向けてもこだわっています。控室にはカフェのようなカウンターや椅子、コーヒーメーカーも置いてあり、カフェで休憩するようなイメージで休んでもらっています。
カウンターとコーヒーメーカーの効果か、時々スタッフが手作りのパンやティラミスを作っておいていってくれたりするんです。
私たちは大きなクリニックではないけれど、こうした仲間同士で気持ちよく過ごせる休憩時間を大切にしたいと思っています。

というのも、クリニックの空間や雰囲気にこだわることで、患者さんだけでなくスタッフにも、クリニックに来ることが「仕事」や「義務」ではなく、むしろ「行きたい」と思ってもらえる場所にしたかったんです。
実際、来院された患者さんたちも「病院でこんなに笑い声が聞こえるなんて」と驚かれます。
私たちがわざと笑っているわけではなく、自然とそうなっているんですよね。
患者さんたちとの
関わりが、楽しい

患者さんとのやりとりが楽しいんです。例えば、骨折して通院している患者さんが、おかしいな?と思ってレントゲンを撮ってみると悪化していることが発覚、なんてこともありました。「あれ、ちゃんと固定してたはずなのに?」と思いながら確認してみると、実は「また同じところをぶつけてしまった」なんて、また怪我をしてしまったことを後から話してくれるんですよね。こういった一つ一つの日々のやりとりが可愛らしいんです。患者さんの反応や会話を通じて、ちょっとした笑いが日常の一部になっているのは私たちのクリニックの特徴です。
整形外科での仕事が大好きで、一度も辞めたいと思ったことはありません。治療の過程、特に怪我の治療は、毎回違う状況に対応しなければならず、その対応力が問われるところが面白いと感じています。
自分を信じて、
楽しむ経営
仕事に対する情熱や姿勢は、私がクリニックを運営する上で欠かせない要素だと感じています。
仕事を楽しむということが私にとって重要で、開業してからもそれを大切にしています。もちろん、借入の返済や経営のこともありますが、お金のためにやるというよりも、楽しく、質の高い医療を提供し続けたいと思っています。
実は、この物件を見つけた当初、事業計画書を作成してくださった業者さんからは家賃を返済できないからといってこの物件で開業を進めてくださらなかったんです。でもその計画書を見たときに単価が自分の思っていたものよりも低かったことと、勤務していた時の単価はもう少し高かったので、返済の計画は変わるのでは? と思っていました。
そこで、グランデュールさんに私の見解を盛り込んで事業計画を作って頂いたところ、計画は無事立ったので、この物件で開業を進めることができるようになりました。私としては、その見立てよりも、更に高い単価も設けることができる思ったので、計画は心配しないことにしました。
やることをやり、付加価値をつけるなどして工夫をしていけば、手堅い数値で作られた計画は当然、上回ることになると思うからです。
もちろん、工夫することが苦手な方は手堅い計画で進めた方が良いと思います。
無理せず、
等身大の手本を示す
スタッフとのコミュニケーションも大切にしていて、みんなの意見を尊重しながら、クリニック全体が成長していけるような環境を作っています。
特に、スタッフに対しては「すごい」と思ってもらえるようなリーダーでありたいと思っています。そうでなければ、彼らを引っ張っていくことはできません。だから、私は他のスタッフよりも少しでも多くの時間を仕事に費やし、常にクリニックのことを考えています。
家に帰ってからも、子供の習い事の迎えに行ったり、受験のサポートをしたりと、家族のこともきちんとこなしています。こうしたことを言うと、ハードワークをして元々体が頑丈なんですか? なんて言われるのですが、元々、私自身は病気がちでした。
小さい頃から、1年の4分の1は微熱が続き、1ヶ月に1度は8度以上の熱を出していたんです。
インフルエンザには隔年でかかっていましたし、子供を産んだ後は肺炎で入院したこともあります。
でも、そんな体調でも、私は無理をしてでも何かをこなすことが当たり前、という環境で育って来ていたので、無理することに疑問を感じたことがありませんでした。子供の頃から、38度、39度の熱があっても模擬試験や試合に出場するのが当たり前、なんて思っていたんです。
でもコロナ禍で、自宅にいることが増え、ふと気付いたのは「私、体を無理して使ってたんだな」ということでした、笑
だからこそ、これからも無理をしなくてもいいように、効率的に物事を進めることに、より拘っていきたいと考えています。
開業してから
今が人生で1番元気?
やはり、何かを成し遂げるためには、無理をするのではなく、楽しみながら進んでいくことが大切だと思っています。お金のために何かをやろうとすると、楽しさが失われて、結果的に良いものが作れなくなってしまいます。だから、私は常に楽しむことを大切にして、クリニックの運営もスタッフや患者さんとの関わりも前向きに取り組んでいます。
その結果、開業後は、以前よりもオーバーヒートすることが減り、健康的な生活を送れるようになったと感じます。
開業するまでに3年ほど準備をしましたが、特に不安や葛藤はありませんでした。もちろん、収入面や家族のタイミングも考慮しましたが、一番大きかったのは「80歳まで働きたい」という私自身の目標です。むしろ、準備期間はグランデュールさんのサポートもあって、「環境が整えば自然に進む」という感じで、不安や迷いを感じるといったことはありませんでした。

今の目標としては、スタッフの給料を上げてあげたいと思っています。整形のお仕事だけではどうしても時間が限られているので、自然、収入にも限界があります。ですから、スタッフさんたちとは医療だけでなく、別の事業にも取り組みたいね、なんて話もしているくらいなんです。
例えば、夜間の開院していない時間って、もったいないよね、なんてご意見をスタッフ、患者さん双方からも頂いたのをきっかけに、自費リハビリやピラティスのクラスを増やしたりしました。
他にもアイディアがあって、例えば、夜遅くまで開けている治療スペースを作ったり、じゃあ夜にバーをやってみる? なんてアイディアを楽しく話しあったりしています。
このクリニックが、
大切な居場所
そもそも患者さんと話しながらリラックスできる空間を提供できたら面白いんじゃないかとか、治療とリラクゼーションを組み合わせたような空間が作れたら面白いと思っていたので、ゆくゆくは医療以外の楽しさも提供できるようにしたいと思っています。
他にも、今は特定の靴の会社と提携しているのですが、よりおしゃれで体に良い靴を自分で作りたいです。靴が健康に及ぼす影響は非常に大きいので、患者さんにとってベストな選択肢を提供できるようになればいいなと考えています。
それに、時間に縛られない働き方を取り入れたいとも考えています。
例えば、医療事務やその他の業務を在宅で行えるようにすることで、スタッフが出産や育児中でも柔軟に働ける環境を作れると思うのです。
私自身は現場に出る必要がありますが、事務的な作業はどこでもできるはずですから、そうした働き方を取り入れることで、スタッフにももっと快適な職場を提供したいのです。そうすることで、このクリニックが単なる医療の場に留まらず、患者さんやスタッフにとって特別な場所になると思うからです。
私自身が車が好きなので、高価な車に乗りたいという欲望もあるのですが、経営的に、そのために働くのは嫌だと感じます。贅沢を追い求めてもキリがないですし、足るを知るという考え方で、今の状況で満足しています。結果的に夢が叶えばそれでいいし、今はこのクリニックが自分にとっての大切な居場所です。
スタッフにも自由に意見を出してもらい、みんなが働きやすい、患者さんたちがまた来たい、と思ってもらえる様な環境を作りたいです。もちろん、経営の課題もありますが、それをプレッシャーに感じることなく、楽しみながら取り組んでいきたいですね。うちには経営を学んだスタッフが私を含め3名いるので、きっとそのうち何かできると思っています。

開業済みの先生もクリニックCFOサービスをはじめとした、各種サービスのご利用が可能です。
詳細はお電話、もしくはお問い合わせフォームよりお問い合わせください。