メンタルウェルビーイング
クリニック用賀
院長 横田 亜彩子

My Clinic
Startup Story

日本に新たな
メンタル
ウェルビーイングの文化を

医療を超えた「安心の場」

メンタルウェルビーイングクリニック用賀が目指したのは、ただの病院ではなく、心から安心できる「居場所」でした。

精神科を訪れる人の多くは、不安や緊張を抱えています。だからこそ、診察を受けるだけの場所ではなく、お茶を飲みながら、ふと人間関係の悩みをこぼせるような、そんな空間でありたいと考えました。

病院は、病気を診るだけの場所ではなく、元気を取り戻す場でもあるべきです。だから、ここに来るだけで少しホッとできるような場所。そう願ってこのクリニックをつくりました。

空間設計の工夫
病院らしくないクリニック

待合室は広く、カフェのような開放感を意識しています。
一般的な病院にある四角く閉鎖的な空間ではなく、丸みを帯びたデザイン、木目の温もり、自然光、窓の外の緑 —— 人が無意識に安心できる要素を丁寧に取り入れました。特に閉所恐怖症の方にも配慮し、空間に広がりを感じられるようにしています。

デザインの軸に据えたのは「ミッドセンチュリーのヴィンテージスタイル」。
新しすぎず、どこか懐かしい雰囲気が、自然と心を落ち着かせてくれます。白ではなくアイボリーを基調にした柔らかい色調が、場の緊張感を和らげています。

多くの医療空間が無機質である中、この場所を「心を整えるための自分の居場所」と感じてもらえるよう、意図を込めた空間づくりを徹底しました。

証券から医療へ ——
原点となった出会い

幼少期をイギリスで過ごし、高校時代はオーストラリアへ留学。ホストファミリーは医師と看護師のご夫婦で、その温かさと奉仕の精神に深く心を動かされました。病院での職業体験にも参加しましたが、目の前で患者さんが亡くなり、「共感はできても、医師としての強さが足りない」と感じ、医学の道は一度諦めることに。大学では政治経済を専攻し、卒業後は証券会社へ進みました。

しかし、利益と数字ばかりが優先される世界に次第に違和感を覚えるように。そんな折、身近な人がうつ病を発症し、精神的な支援の必要性を痛感します。カウンセラーを志し大学院進学を考えるも、「あなたがやりたいのは、精神科医の仕事ではないか」と助言され、再び医師を目指す決意を固めました。
学士編入制度の存在を知り、短期間で医学部を卒業できる道があるとわかり、精神科医になるという目標に向かって再スタートを切りました。

「ようこそ」と迎える
診療スタイル

精神科は、まだまだ敷居が高いと感じる方も多くいます。
だからこそ、患者さんには「よくいらっしゃいました」と、自宅に招くような気持ちで迎えます。

診察室では、椅子に横になってもいいし、バランスボールに座ってもいい。形式に縛られず、自由に話せる空気を大事にしています。

一方で、精神科の診療には「病的水準を見極める」という大切な工程があります。認知機能の状態、抑うつの深刻さ、パーソナリティや生育歴の影響など、限られた時間内でも重要な情報を掴まなくてはいけません。もちろん、30分の初診で全てを把握することは不可能です。
だからこそ、限られた時間の中で最も本質的な部分を見極める感覚が求められます。

らせん階段のように人を見る

精神科の診療では、「決めつけない」姿勢が何より大切です。優秀な先輩たちから学んだのは、直線的に人を判断しないということ。
らせん階段を上るように、多角的な視点で何度も見直しながら、その人の本質に少しずつ近づいていく —— それが精神科医としての基本姿勢です。

初診で「これは違う」と判断したことが、数ヶ月後に実は重要なヒントだったと気づくこともある。だからこそ、いったん除外した情報にも柔軟な視点で向き合い直し、その人の全体像を丁寧に紡いでいく。その姿勢は、診療の根幹として今も大切にしています。

自費診療の必要性と、
見えていた限界

勤務医時代の 10年前から、私は強く感じていました。保険診療だけでは、精神医療の質は守れない。診療報酬は年々下がり、精神科は医療費削減の標的にされる傾向が明らかでした。

現場では真摯に診療を続けていても、制度の限界に直面するたびに、「このままでは立ち行かなくなる」という危機感が募っていきました。

だからこそ、当時の経営層に対し、「責任を持てる医師が、自費診療を導入すべき」と何度も提案しましたが、「生意気だ」と一蹴され、実現には至りませんでした。やがて私は、「ならば自分でやるしかない」という結論に達し、開業への道を意識し始めたのです。

10年越しの開業構想

開業を明確に意識したのは、ちょうど 10年前。子どもが生まれ、育児との両立に悩んでいた時期です。もっと仕事をしたいのに思うように働けない。その葛藤の最中、上司からかけられた一言が、私の視点を変えました。

「今が大変なのは当然。でも、10年後に何をしたいのかを考えながら動いた方がいい」

その言葉で、はっきりと「いつかは開業したい」という意志が芽生えました。以来10年間は、大学病院や精神科単科病院、精神保健外来などで経験を重ね、幅広い患者層と向き合ってきました。
若者から高齢者、生活保護を受けている方、DV被害者、富裕層まで —— 様々な背景を持つ人々の心に触れ続けました。
さらに、ビジネス街の日本橋や六本木でも勤務し、第一線のビジネスパーソンのメンタルヘルスにも関わる一方、小児精神の研修も受け直し、発達障害や思春期のケアにも対応できる力を磨きました。

精神科医として、自分の価値は「病的なラインと健康なラインを見極め、混乱した状態を整理すること」にあると考えています。50 歳を迎えた今こそ、それを実現できるタイミングだと確信し、開業を決断しました。

支援を選ぶ目線 ——
「長く付き合えるか」

開業にあたり、まず税理士に相談し、医療系のコンサル会社を複数リサーチしました。製薬会社系、不動産系、インテリア特化型など、多種多様な企業がある中で、私が重視したのは「継続的に関われるかどうか」でした。

「これで利益が出ましたね、ではさようなら」—— そういったスタンスではなく、開業後も伴走してくれるパートナーを求めていました。実際、多くの医療コンサル会社は開業までが支援の範囲であり、その後は関わらないケースがほとんど。営業担当者が良い人であっても、 開業後の支援がないなら正直に「すみません」と伝えていました。

税理士の方がとても誠実で、押し付けがましさもなく、現実的な提案をしてくれたことも大きかった。その方の紹介で出会ったのが、今の開業支援パートナーであるグランデュールさんです。

彼らは、私が想像していた以上に細やかで温かく、真に寄り添ってくれる存在でした。「この人たちとなら長く付き合える」と、安心して背中を預けることができました。誰かに勧めるとしたら、迷わず「グランデュールに相談してみて」と言います。

「専門」とは
“バランスをとる”こと

開業医として情報が閉じがちになることへの危機感から、私は今も定期的に学会に参加し、医療の最新知見に触れるようにしています。新しい治療や研究を学ぶことは、今の自分の診療の方向性を確認する機会にもなっています。

「専門は何ですか?」と問われることも多いのですが、私は特定の分野に特化することに慎重です。専門性は時に視野を狭めてしまう。だから私は、むしろ幅広く知識を持ちながら、全体を見てバランスをとる力こそが自分の強みだと考えています。

たとえば、アルコール依存の分野では専門医と同等の経験を積んできましたが、あえて資格は取得していません。児童精神科も深く学びましたが、それも同様です。特定の専門に縛られることで、クリニックの敷居が高くなることを避けたかったのです。誰もが訪れやすい、開かれた場を目指しました。

働き方改革 ——
マネジメントの視点から

クリニック運営において、私はスタッフが安心して働ける環境づくりを最優先しています。
残業は基本的になし。診療が 19時までだからといって、18時半に新しい患者さんを入れるようなことはしません。そうすれば当然、スタッフの帰りも遅くなってしまう。

そこで、無理のないスケジュールを徹底し、診療が終わればスタッフはすぐに帰宅できるようにしています。最後に残るのは、私と夫である事務長だけ。スタッフに負担をかけないよう配慮しています。

また、医師がすべてを背負い、スタッフがマルチタスクに追われるのではなく、それぞれが専門性に集中できる体制を整えました。誰かが「なんでもやらされている」と感じる状況では、本来の力を発揮できない。だからこそ、役割が明確で、尊重される環境を意識しています

家族と共に働くということ

夫と同じ職場で働くことに、私は特別な違和感を感じていません。自然に役割分担ができているからこそ、無理なくやってこられました。夫はスタッフとの調整を担当し、私は診療に専念。お互いの強みを生かし、支え合う関係です。

同じ職場で働くことで、以前は見えていなかった夫の仕事の大変さにも気づくようになりました。毎日一緒に自転車で通勤し、帰り道には仕事の話をする。そんな時間が、お互いの考えを整理する貴重な機会にもなっています。

かつては、「負けたくない」「認められたい」と、男性社会の中で強く闘争心を抱いていました。しかし、結婚や出産を経て、第一線から退いたと見なされる現実に直面し、女性がキャリアを築く難しさを実感しました。

そこで、「では女性として何ができるか」を問い直す中で、視点が変化していきました。息子を育てる過程で、男性もまた葛藤を抱えながら生きているのだと実感し、次第に敵意ではなく共感を持てるようになったのです。結果として、上司や年上の医師たちとの関係も穏やかになり、自分自身もリーダーとしての役割を受け入れられるようになっていきました。

社会と心の健康をつなぐ視点

精神科医として多くの男性の悩みに触れる中で、彼らが社会や家庭でのプレッシャーに苦しんでいることを実感するようになりました。
戦うこと、守ること —— そうした役割を長く背負ってきた男性たちも、誰かと役割を分かち合うことで初めて安心できる。女性の社会進出は、そのバランスを整える一つの鍵だと感じています。

私自身の家庭でも、かつては夫が外で働き、私が家事・育児を担うという分担が当たり前でした。しかし、今では夫が私の仕事を理解し、必要に応じて家庭も担ってくれるようになりました。互いを尊重し合い、自然に役割を交換できる——それは新しい家族のあり方かもしれません。

こうした家庭の変化、個人の在り方の変化は、メンタルヘルスにも深く関わっていると感じています。心の健康は、個人だけの課題ではなく、家族、職場、社会全体の関係性の中で育まれるもの。だからこそ私は、医療の枠にとどまらず、社会に向けてメンタルヘルスの大切さを伝えていきたいと思っています。

医療の持続可能性と
発信という使命

私が描くクリニックの理想は、患者さんの回復をしっかり支えつつ、診療の質を保ち、適切に利益を生み、それをスタッフにも還元できる仕組みを築くことです。医療者が疲弊せず、患者さんにも無理がなく、健全な循環が生まれる場をつくりたい。

同時に、より広い社会に向けてメンタルケアの重要性を発信していくことも、自分の使命だと感じています。心のケアは特別なものではなく、日常の中に自然に取り入れられるもの。

誰もが無理なく、自分の心と向き合える社会へ。そのために、医療の枠を超えてできることを、これからも模索し続けたいと考えています。

これから開業を目指す人へ

医療の現場は、決して平坦な道ではありません。特に女性医師や若い医療従事者にとっては、家庭とキャリアの両立、職場での人間関係、自身のメンタルとの向き合いなど、さまざまな課題が立ちはだかります。

私自身も、出産や育児を経て、働き方に対する価値観が変わりました。そこで気づいたのは、「完璧でなくてもいい」「競争ではなく協調を」ということ。女性医師が増えることで、医療のあり方にも多様性が生まれつつあります。これまでのように「とにかく働く」一辺倒では なく、柔軟で、自分にも患者にも優しい働き方を模索する時代が来ていると思います。

のクリニックも、そうした新しい医療の形を目指してつくりました。これからの医療は、誰かが一人で背負うのではなく、仲間と支え合いながら「より良い医療をつくること」が大切になる。そんな想いを胸に、これから開業を目指す方には、ぜひ自分なりの理想を形にしていってほしいと思います。

クリニック名
メンタルウェルビーイングクリニック用賀
住所
東京都世田谷区用賀4丁目9-12-2階
診療科目
精神科・診療内科
ホームページ
https://well-being-yoga.com/

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